Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
その後、私は実行犯の男2人と共に、18歳にして殺人教唆という罪で逮捕された。
実を言えば、父は私の罪を揉み消すつもりだったらしい。2人は前科があって、強盗や万引きを繰り返していたみたいだから、金品を狙った強盗犯に仕立て上げ、その二人に罪をなすり付けて私を無罪放免という形にしたかったみたい。
だけど殺害された男が、偶々警察に捕まらなかっただけで、何人もの若い女性に猥褻な行為を行っていた事が判明した。
彼の部屋から女子学生の強姦行為を撮影したビデオが大量に出てきたみたい。
それとリビングルームから私の指紋が出てきたの。指紋はマグカップに付着していたもので、もし無関係だとしたら、私の指紋が被害者の家の物品から出てくるのは変だよねって話になった。
それで罪を揉み消せさなくなったの。
馬鹿な事をしたわ。
おまけに証拠隠滅も出来なかったんですもの。
警察には、私も性暴力の被害者で怨恨の末、人を殺す事が怖かったから、アプリを使って殺人依頼をしてしまったって事にした。
早く忘れてしまいたかったし、事件の事を根掘り葉掘り質問されるのも嫌だったから、被害届を出さなかった。
でもこんな事になるくらいなら、最初から被害届を出せば良かった。
申し訳ございませんでしたって
心にもない謝罪をしたの。
私は刑務所に行ったけど、刑期はたったの3年だった。
驚いたの。てっきり死刑か無期懲役、良くて5年以上の懲役か禁錮が妥当だと思っていたから。
その理由が父が衆議院で、
尚且つ多額のお金を支払ったからって事らしい。
刑務所を出所して、長年住んだ家に戻った時に、父に冷たくそう言われた。
そして言われたの。
お前の口座に必要最低限の生活が出来るだけの金を入れておいた。
その金が最後の資金援助だ。
お前は私の子供では無い。
金輪際、私達に近寄るな。
とっとと出て行け。
父に勘当を言い渡された私は、微笑を浮かべると母と父だった2人に頭を下げて、すぐに出て行った。
そして私は、父から振り込まれたお金を口座から全額引き落とした。
焚き火の材料にしたの。
炎は、轟々と音を立てて燃え盛っていた。
まるで私の行き場の無い感情を焼き尽くすように、激しくて綺麗で、私は1人ウットリと見惚れていた。