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再婚

第2章 強姦

沙耶が、その後もひとしきりバスケの話をすると、親父が、

「直哉は何をしてたんだ?」

と聞いた。俺は、

「ゲーム!」

とだけ言うと、親父は、

「今更部活に入れとは言わんが、何かやったらどうなんだ!来年受験なんだし、大丈夫か?」

と言った。俺は、また始まった!めんどくさいなー。と思っていると、優香が、

「人それぞれだからね!」

と、言った。親父や沙耶は気が付かなかったみたいだが、優香が俺のフォローをするような発言をすることは今までになかった。しかし、口調の柔らかさから、沙耶が何か感じたのか、

「お母さん!今日何か良いことあったの?」

と聞いた。優香は、

「どうして?」

と言うと、沙耶は、

「何となく…、ご飯作ってるときも何か楽しそうだったし…。お母さんは、今日何してたの?」

と言った。俺は、ドキッとして、心臓がバクバク音を立てているのが分かった。うつむいて、カレーをひたすら食べた。

優香は、

「何って、いつも通りよ!洗濯して、お掃除して、その後買い物に行って…。」

と言うと、沙耶は、

「え〜?それだけ〜?それにしては、おかしいな~?」

と言った。優香は、

「野菜が安かったから、沢山買っちゃった!」

と言うと、沙耶は、

「そんなことで?そんなに嬉しいの〜?」

と言った。優香は、

「あなたには分からないでしょうけど、主婦にとっては野菜が安いということは、嬉しいしことなのよ!」

と言うと、沙耶は、

「そんなもんかな〜?主婦って意外と単純なのね!」

と言うと、優香は、

「まったくこの子は、生意気なこと言って〜!」

と笑顔を見せた。

やっと、この話題は、ここで終ったようだ。優香に、今日のことは、おぼろげにでも話す気はないらしい。

俺は、安心して、「ふー…。」とため息をついた。それを見た沙耶は、

「なお君は元気ないのね!」

と言った。

俺は、自分のカレーを食べ終わると、

「ごちそうさま。」

と言って、二階の部屋へ行った。


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