もうLOVEっ! ハニー!
第1章 生まれ変わり
耳元でカールした艶やかな黒髪。
はだけたシャツの隙間からロザリオのネックレスが揺れる。
だるそうな服を包む白衣に、ぼろぼろのスリッパ。
「松園かんなちゃんだっけ」
腋に抱えていたファイルをパラパラめくる。
そこにどんな情報が載っているのでしょうか。
些か不安になりながら首を振る。
がしがし頭を掻いて、隆人は一人で頷く。
「健康も身体面も問題なっし、と。部屋は……あらー、美弥の隣かあ」
「にゃっ! 本当に!?」
頭から耳がピンと立つのが見えるようだ。
美弥がにまっと笑ってまた後ろから抱きしめる。
その肩をぽんと叩いて隆人が囁く。
「手、出すならばれないようにね」
ちょっと待ってください。
聞き捨てになりません。
「りょうかいだよっ」
「待て待て。隆人! こいつに許可出しちゃだめだって」
白衣の袖をまくりながら微笑む。
「少なくとも君らよりは安心だけどね。久しぶりの女子だからって盛んな、少年共」
陸とこばるが苦笑する。
「盛ってはねーよ……」
「かんなちゃんは妹だから。悪いお兄ちゃん以外は手出しませんっつの」
そういう間も美弥に胸を締め付けられている私はどうすればいいのでしょうか。
「あの、美弥さん。苦しいです」
「ごめーん。かんなの胸触り心地いいからつい……」
「隆人っ。これ聞いても安心か、てめえ!」
叫んだ陸の口をがっと塞ぐ。
二重の眼が細めて、低い声で。
「あんまり年上に乱暴な口答えはしない方がいいと思うけどー?」
こばるが隣でため息を吐く。
それから手を下ろさせる。
「隆にいの指示は絶対ってのはわかるっすけど。ちゃんと美弥の本性ぐらいは警告してた方がいいんでねーすか」
「しんがーい!」
やっと胸が解放されました。
そそくさと隆人さんの後ろに隠れます。
「それみろ。怖がってんだろ」
「陸は黙って。かんなはボクが落とすの」
「堂々と……」
隆人が手をまわして、私の手と繋ぐ。
小声でこう言った。
「医務室に連れてくから、迷わないようにおいで」
返事をする前に横の廊下に引っ張られ、どんどん廊下を進む。
鮮やかな逃走に反応できなかった三人が遅れて追いかける。
はだけたシャツの隙間からロザリオのネックレスが揺れる。
だるそうな服を包む白衣に、ぼろぼろのスリッパ。
「松園かんなちゃんだっけ」
腋に抱えていたファイルをパラパラめくる。
そこにどんな情報が載っているのでしょうか。
些か不安になりながら首を振る。
がしがし頭を掻いて、隆人は一人で頷く。
「健康も身体面も問題なっし、と。部屋は……あらー、美弥の隣かあ」
「にゃっ! 本当に!?」
頭から耳がピンと立つのが見えるようだ。
美弥がにまっと笑ってまた後ろから抱きしめる。
その肩をぽんと叩いて隆人が囁く。
「手、出すならばれないようにね」
ちょっと待ってください。
聞き捨てになりません。
「りょうかいだよっ」
「待て待て。隆人! こいつに許可出しちゃだめだって」
白衣の袖をまくりながら微笑む。
「少なくとも君らよりは安心だけどね。久しぶりの女子だからって盛んな、少年共」
陸とこばるが苦笑する。
「盛ってはねーよ……」
「かんなちゃんは妹だから。悪いお兄ちゃん以外は手出しませんっつの」
そういう間も美弥に胸を締め付けられている私はどうすればいいのでしょうか。
「あの、美弥さん。苦しいです」
「ごめーん。かんなの胸触り心地いいからつい……」
「隆人っ。これ聞いても安心か、てめえ!」
叫んだ陸の口をがっと塞ぐ。
二重の眼が細めて、低い声で。
「あんまり年上に乱暴な口答えはしない方がいいと思うけどー?」
こばるが隣でため息を吐く。
それから手を下ろさせる。
「隆にいの指示は絶対ってのはわかるっすけど。ちゃんと美弥の本性ぐらいは警告してた方がいいんでねーすか」
「しんがーい!」
やっと胸が解放されました。
そそくさと隆人さんの後ろに隠れます。
「それみろ。怖がってんだろ」
「陸は黙って。かんなはボクが落とすの」
「堂々と……」
隆人が手をまわして、私の手と繋ぐ。
小声でこう言った。
「医務室に連れてくから、迷わないようにおいで」
返事をする前に横の廊下に引っ張られ、どんどん廊下を進む。
鮮やかな逃走に反応できなかった三人が遅れて追いかける。