もうLOVEっ! ハニー!
第8章 優越鬼ごっこ
きゅ、とシャワーを止める。
額を付け合せて二人ともただ呼吸をした。
眼を瞑り、お互いの頬を手で包んで。
はあ、はあ。
どくどくと、脳内で、触れた額、手の中で、血の脈動を感じる。
少し冷え始めた体に鳥肌が立つ。
眼を開けると、ぴんと立った美弥の乳頭が眼に入り、クラリとする。
そこで自分の格好に意識がいった。
どきりとする。
下着ごと鎖骨まで上げられ、ショーツも腿にずらされている。
恥じがゾクゾクと昇ってくる。
手をそこに持っていこうとすると、力強く掴まれた。
「だめ……」
「でも」
「だめだよ。かんな」
両手をまとめて上げられ、壁に固定される。
動けない。
でも、怖くありません。
真剣な目で真っすぐ射るように見られて。
名前を呼ばれて。
ぼーっとしてしまう。
また唇が重なる。
今のはどちらから。
一瞬わからなくなる。
「ん……あッ、は」
声が反響する。
熱い手が腰からゆっくり撫で下ろされていく。
美弥の舌が首を嘗め回す。
「っぅく……んんあ」
腿を閉じようと、いや、そこに刺激を求めるように力が籠る。
「かんな」
美弥の眼が笑った。
触られる。
濡れた襞を。
このままでは、だめです。
「美緒さん」
「……なに?」
手が止まる。
不満そうに。
「あの、ごめんなさい。私……昨日のこと、ん」
唇に指が押し当てられる。
「どうして謝るの?」
眼がすっと細まる。
「それってボクを侮辱してる?」
あ……
空気が冷えわたる。
昨夜のつばると同じ眼をしてる。
苛ついたような、感情を抑えるような。
身体から手が離れた。
「美弥さん……っ」
「こういうとき、その名前で絶対呼ばないでくれないかな」
強い口調に口をつぐむ。
さっきまでの夢心地が嘘のように去っていく。
冷たさだけが心まで降りてきた。
「……かんなは、さ。わからないね」
「え?」
くしゃりと髪を掴んで曖昧に微笑む。
「ボクのことどう思っているのか、全然見えないよ。エリとは……」
エリ。
美弥の過去にいた女性。
既に卒業したという女性。
「っくく。今度はボクが失礼だったかにー? うみゅ。今日はやめとくよ、かんな。ごめんね」
タタッと出て行った扉を眺める。
一瞬で付け替えられた仮面に、反応すら出来なかった。
額を付け合せて二人ともただ呼吸をした。
眼を瞑り、お互いの頬を手で包んで。
はあ、はあ。
どくどくと、脳内で、触れた額、手の中で、血の脈動を感じる。
少し冷え始めた体に鳥肌が立つ。
眼を開けると、ぴんと立った美弥の乳頭が眼に入り、クラリとする。
そこで自分の格好に意識がいった。
どきりとする。
下着ごと鎖骨まで上げられ、ショーツも腿にずらされている。
恥じがゾクゾクと昇ってくる。
手をそこに持っていこうとすると、力強く掴まれた。
「だめ……」
「でも」
「だめだよ。かんな」
両手をまとめて上げられ、壁に固定される。
動けない。
でも、怖くありません。
真剣な目で真っすぐ射るように見られて。
名前を呼ばれて。
ぼーっとしてしまう。
また唇が重なる。
今のはどちらから。
一瞬わからなくなる。
「ん……あッ、は」
声が反響する。
熱い手が腰からゆっくり撫で下ろされていく。
美弥の舌が首を嘗め回す。
「っぅく……んんあ」
腿を閉じようと、いや、そこに刺激を求めるように力が籠る。
「かんな」
美弥の眼が笑った。
触られる。
濡れた襞を。
このままでは、だめです。
「美緒さん」
「……なに?」
手が止まる。
不満そうに。
「あの、ごめんなさい。私……昨日のこと、ん」
唇に指が押し当てられる。
「どうして謝るの?」
眼がすっと細まる。
「それってボクを侮辱してる?」
あ……
空気が冷えわたる。
昨夜のつばると同じ眼をしてる。
苛ついたような、感情を抑えるような。
身体から手が離れた。
「美弥さん……っ」
「こういうとき、その名前で絶対呼ばないでくれないかな」
強い口調に口をつぐむ。
さっきまでの夢心地が嘘のように去っていく。
冷たさだけが心まで降りてきた。
「……かんなは、さ。わからないね」
「え?」
くしゃりと髪を掴んで曖昧に微笑む。
「ボクのことどう思っているのか、全然見えないよ。エリとは……」
エリ。
美弥の過去にいた女性。
既に卒業したという女性。
「っくく。今度はボクが失礼だったかにー? うみゅ。今日はやめとくよ、かんな。ごめんね」
タタッと出て行った扉を眺める。
一瞬で付け替えられた仮面に、反応すら出来なかった。