もうLOVEっ! ハニー!
第1章 生まれ変わり
キイと軽快な音と共に扉が開く。
クリーム色の優しい光に照らされたこじんまりした部屋。
「ここが今日から君の家だよ」
隆人がカギを壁に下げる。
ホテルのような絨毯の床。
ふかふかです。
奥の窓は壁の半分を占め、学園の裏の森と街が見渡せる。
傍らのサイドテーブルには花瓶に百合が一輪。
まだ控えめに花を開いた程度。
満開は明日でしょう。
机は固定され、棚も埋めきらないほど大きい。
ベッドはシングルよりやや大きく、太陽の香りがするシーツに包まれている。
靴を脱いでそっと奥に進む。
「シャワーは一階西エリアに男女ともに浴場があるからそこで。キッチンはここ」
そう云って入り口の左手に曲がった先のカーテンを開いて見せる。
暖簾というにはもったいないお洒落な仕切り。
「IH……ですか」
「使ったことある?」
「はいっ。料理好きなので嬉しいですっ」
これからは好きなものを作れる。
コンロは二つ。
一人暮らしには贅沢すぎます。
「食材は後で買い出しに美弥とでも行きな。あと、トイレはこっち。それから……」
一通り部屋を案内し終わった隆人が入り口に戻る。
つい頬が緩みっぱなしの私を見て、ため息を吐く。
「これから大変だよー。自炊に勉強に行事に部活。さらにこの寮の変人共と平和に付き合っていかなきゃならない」
「ちょっと管理人、失礼だにゃ」
「来たか、変人第一号」
お風呂上がりのジャージ姿で美弥が現れる。
というよりも、私がこの部屋に来てからずっと見ていたのですが。
濡れた髪がストレートのように腰元まで垂れ、照明を反射して艶めく。
瑞々しい肌は白く、赤い唇が妖艶さを引き立たせている。
桃色のラインが入った白ジャージが似合っていて、躰のラインの美しさが際立つ。
「えっと、美弥さんはお隣さんなんですか」
隆人を押しのけて美弥が抱き付く。
「可愛いっ。可愛いっ。どうしてそんな可愛いのかな! さんさん言わないでボクは美緒ちゃんて呼んでくれればいいからね。いい? 美弥じゃなくて美緒だよ。これ重要だからね」
壁に吹き飛ばされた隆人が後ろから美弥を引きはがす。
「堂々と手を出さないでくれる?」
「夜這いがご希望ですにゃ?」
あひる口をする彼の頭をぐりぐりとする。
すぐに両手を上げて抵抗する美弥。
相当痛いんでしょう。
眼が二人とも本気です。
クリーム色の優しい光に照らされたこじんまりした部屋。
「ここが今日から君の家だよ」
隆人がカギを壁に下げる。
ホテルのような絨毯の床。
ふかふかです。
奥の窓は壁の半分を占め、学園の裏の森と街が見渡せる。
傍らのサイドテーブルには花瓶に百合が一輪。
まだ控えめに花を開いた程度。
満開は明日でしょう。
机は固定され、棚も埋めきらないほど大きい。
ベッドはシングルよりやや大きく、太陽の香りがするシーツに包まれている。
靴を脱いでそっと奥に進む。
「シャワーは一階西エリアに男女ともに浴場があるからそこで。キッチンはここ」
そう云って入り口の左手に曲がった先のカーテンを開いて見せる。
暖簾というにはもったいないお洒落な仕切り。
「IH……ですか」
「使ったことある?」
「はいっ。料理好きなので嬉しいですっ」
これからは好きなものを作れる。
コンロは二つ。
一人暮らしには贅沢すぎます。
「食材は後で買い出しに美弥とでも行きな。あと、トイレはこっち。それから……」
一通り部屋を案内し終わった隆人が入り口に戻る。
つい頬が緩みっぱなしの私を見て、ため息を吐く。
「これから大変だよー。自炊に勉強に行事に部活。さらにこの寮の変人共と平和に付き合っていかなきゃならない」
「ちょっと管理人、失礼だにゃ」
「来たか、変人第一号」
お風呂上がりのジャージ姿で美弥が現れる。
というよりも、私がこの部屋に来てからずっと見ていたのですが。
濡れた髪がストレートのように腰元まで垂れ、照明を反射して艶めく。
瑞々しい肌は白く、赤い唇が妖艶さを引き立たせている。
桃色のラインが入った白ジャージが似合っていて、躰のラインの美しさが際立つ。
「えっと、美弥さんはお隣さんなんですか」
隆人を押しのけて美弥が抱き付く。
「可愛いっ。可愛いっ。どうしてそんな可愛いのかな! さんさん言わないでボクは美緒ちゃんて呼んでくれればいいからね。いい? 美弥じゃなくて美緒だよ。これ重要だからね」
壁に吹き飛ばされた隆人が後ろから美弥を引きはがす。
「堂々と手を出さないでくれる?」
「夜這いがご希望ですにゃ?」
あひる口をする彼の頭をぐりぐりとする。
すぐに両手を上げて抵抗する美弥。
相当痛いんでしょう。
眼が二人とも本気です。