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もうLOVEっ! ハニー!

第15章 何も叶えぬ流星群


 知らなかった。
 密室で覆いかぶさったガク先輩がこんなにも大きくて、敵わない存在感なんて。
 壁の冷たさが背中にヒヤリと伝わる。
「た、確かめるって……」
 ニコリと微笑んだ顔が近づく。
 さっきよりも短く、でもゆっくりな動きで舌を舐め上げて耳元で囁かれる。
「……しよ?」
 胸から背中にゾワゾワが一気に走る。
 呼吸が上手くできない。
 だってただ、尚哉さんとのことを確かめるだけだったはずなのに。
 なんで、今、こんなに密着して。
 心臓がバクバクと。
 首筋に唇が当たり、高い声が出てしまう。
「その声ほんまに可愛いなあ」
 ぎゅーっと抱きしめられてから、片手で下着のホックを外され、もう片手が抜き取った。
 ピンクのレースが施されたそれを見られて、カアっと耳が熱くなる。
 指先でレースをなぞってから、ベッド脇にぽんと落とされる。
「下着まで可愛いんやね」
 だれか心臓静めて。
 呼吸も教えて。
 これからされることを考え続ける思考を停止して。
 背中に回されたのと反対の大きな手が、シャツの下に這わされて、何度もびくついてしまう。
「ひっ、や……く、すぐっ……た、あっう」
 大きな声が出てしまいそうで、指の関節を噛む。
 手が段々と胸元に近づき、とうに天を向いていた突起に触れてお腹がぎゅっと縮む。
 先輩の目がじっと見つめてるのが恥ずかしくて。
 とても顔を上げられない。
「嫌やったら、言って」
 優しく胸を撫でられて、太ももに力が入る。
 左の胸から、右の胸にすーっと胸骨をなぞるように指先が移動していく。
「ぅあっ、ひぅ」
 背中を支えていた手が、前に回されてお腹に手のひらが当たったたかと思うと、ゆっくりと下におろされていく。
 既に濡れているのが自分でもわかるから、急いで引き止める。
「は、恥ずかしい……」
「それは逆効果やなあ」
 部屋着のゴムは緩く、なんの抵抗もなく岳斗の指を受け入れていく。
「やば……」
 互いの息が荒くなる。
 中指がぐっと、割れ目を押さえると、静かな部屋にクチャリと音が響く。
「エッチなキスで濡れたんやね」
「せ、先輩のせい……ふっ、あ」
 ぐぐ、と指の腹でなぞられて飛び上がりそうになる。
 そっと私を引き寄せて、優しく横にされる。
 その間も、首や鎖骨に小さく音を立てて吸うように唇が這わされていく。

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