もうLOVEっ! ハニー!
第6章 思惑先回り
バスッ。
タン……タンタンタン。
地面に転がる二つ。
どちらも誇らしげにゴールから落ちてきた。
「二球目か。何球続くかな」
清龍が楽しそうに身を乗り出す。
私も手汗をかきながら首を伸ばして会場に食い入った。
笛が鳴る。
ボールが投げられる。
同時に跳ねる。
実力に恐らく差はない。
これは先に運に見放された方の負け。
逆に言えば運を味方につけた方の勝ちだ。
「負けるかよ……」
「こっちのセリフだけど」
こばるは耳に触れた。
岳斗からもらったリングピアスに力を貰うように。
ぜってえ負けねえ。
二人は同じ表情でボールを投げた。
体育館裏の休憩スペースで華海都寮の全生徒がスポーツ飲料で乾杯をする。
いつの間にか奈巳も混ざって。
「こばりんおめでとーう!」
美弥が抱きついて頭をなでなでする。
顔を赤くしながらこばるはそれを押しのけた。
「ガク先輩のお守りのおかげっすよ」
「そのとーりやで」
「調子乗るな、関西男」
茜のビンタをすっと避けて岳斗がつばると乾杯する。
「惜しかったな」
「……どうも」
「つばるも頑張ったじゃん。ほら、敗者に飴ちゃんあげよう」
「鞭打つな、美弥」
その手から飴を奪い取りながら牽制する清龍。
司が持ってきた弁当をつつきながら団欒を楽しむ。
「これでガクとこばるは何を命令するの?」
「聞いて驚け、司。秘密や」
「なにそれっ」
「はははっ。こばるは教えてくれるかもしれんよ」
「オレも秘密です」
つばるだけは笑わなかった。
いえ、私もですね。
タン……タンタンタン。
地面に転がる二つ。
どちらも誇らしげにゴールから落ちてきた。
「二球目か。何球続くかな」
清龍が楽しそうに身を乗り出す。
私も手汗をかきながら首を伸ばして会場に食い入った。
笛が鳴る。
ボールが投げられる。
同時に跳ねる。
実力に恐らく差はない。
これは先に運に見放された方の負け。
逆に言えば運を味方につけた方の勝ちだ。
「負けるかよ……」
「こっちのセリフだけど」
こばるは耳に触れた。
岳斗からもらったリングピアスに力を貰うように。
ぜってえ負けねえ。
二人は同じ表情でボールを投げた。
体育館裏の休憩スペースで華海都寮の全生徒がスポーツ飲料で乾杯をする。
いつの間にか奈巳も混ざって。
「こばりんおめでとーう!」
美弥が抱きついて頭をなでなでする。
顔を赤くしながらこばるはそれを押しのけた。
「ガク先輩のお守りのおかげっすよ」
「そのとーりやで」
「調子乗るな、関西男」
茜のビンタをすっと避けて岳斗がつばると乾杯する。
「惜しかったな」
「……どうも」
「つばるも頑張ったじゃん。ほら、敗者に飴ちゃんあげよう」
「鞭打つな、美弥」
その手から飴を奪い取りながら牽制する清龍。
司が持ってきた弁当をつつきながら団欒を楽しむ。
「これでガクとこばるは何を命令するの?」
「聞いて驚け、司。秘密や」
「なにそれっ」
「はははっ。こばるは教えてくれるかもしれんよ」
「オレも秘密です」
つばるだけは笑わなかった。
いえ、私もですね。