どこまでも玩具
第2章 荒らされた日常
やめろ、とか。
もう無理、とか。
ごめんなさい、とか。
何を言っても、こいつらには通じないわけで。
「ぅあッ……や」
助けて、とか。
誰か、とか。
許して、とか。
そんなこと願っても、誰かが救いに来るわけでもなくて。
ぐるぐると思考は回って、終わりの無い行為は繰り返されて。
「あはは、泣いてるよこの子」
類沢が嘲笑しながら俺の腰を思い切り引きつける。
「……ぁがッッ」
息が止まるような衝撃が脳まで貫く。
「壊れますよ、そこまでしたら」
篠田が愉しげに囁く。
三十分も俺のものを扱いて狂わせてる張本人の言葉かそれは。
ベッドがギシギシと鳴るが、水音がかき消されることは無い。
ふ……やあっ」
もう自分を支えきれなくて、腕の中に突っ伏す。
しかし、その分腰が上を向く形になって、ズグリと深くまで侵入される。
「ッああ――!」
類沢の濡れた手が口を塞ぐ。
「上の生徒に聞こえるよ。馬鹿なの、お前?」
声を出させているのは誰だ。
不甲斐なさに涙が止まらなくなる。
「お、またイくか?」
何度目かわからない射精に、足がガクガクと震える。
篠田の手のひらに白濁液が染み付く。
「一人でばっかりイって……堪え性の無い生徒だね」
グリ。
バチュ。
「――!」
声が出せないせいで、悲鳴が殺される。
同時に理性も息絶える。
ゆらゆらと、腰が振れる。
「瑞希、可哀相だね」
類沢は俺の変化を見て取って冷たい声でそう言った。
ビクッ。
また意識が飛ぶ。
「流石にもう出ないな」
篠田はそれを指先で弾く。
「そろそろ時間ですかね」
時計が二限の中盤を示している。
「じゃあ、これをあげましょうか」
類沢は俺の中で果てると、傍の引き出しから何かを取り出した。