気持ちのいい恋
第11章 素直に泣ける場所
「カイ!落ち着け――――!」
不意に背後から聞こえたが声で意識が引っ張られ――――俺の手が真っ赤になっていることに気がついた!
「春斗さん!春斗さん――――!ゆっくり!ゆっくり、息を吸って――――!そうです!そう、上手です――――!大丈夫!今、救急車来ますから!」
俺は、リクの春斗にかける“大丈夫”――――と、言う言葉に・・・我に返る
そして、俺は――――拳の生暖かい滑りに・・・視線を下に向ける
と、そこには顔中が血まみれの――――・・・男が白目を向いて倒れていた
「カイ!しっかりしろ!
その男を拘束しろ!逃げられないように!大丈夫!春斗さんはちゃんと生きてる!生きてるから!!」
「///リク――――・・・本当か?本当に?」
俺は、男を殴りながら――――・・・春斗を返せと泣いていた
春斗の死を、受け入れたくなかった俺は――――・・・リクの“生きているから”の言葉に
崩れる様に・・・身を縮めた――――・・・
「カ・・・・・イ・・・・リク・・・・・愛して・・・いる、愛してる・・・」