
雨とピアノとノクターン
第2章 出会い編:一年生の風紀委員長
…浦原誠二?
「…やめておけ。ソイツには構うな。ソイツに構えば…会長が黙ってはいないだろう…」
「…は…はい、でも…規則では…?」
「鳴海悠生!いつまでもオレたちが大人しく引き下がるとは思わないほうがいい。じゃあな…」
浦原はその場にいた風紀委員たちを従えてその場を去った。
一年生にして優秀な頭脳、統率力を買われ、唯一、委員長になっている生徒、それが浦原誠二であることは、鳴海もよく知っていることだった。
佐屋と暮らす前までは、佐屋とこの浦原は自分には生理的には合わない人種だと、信じて疑わなかった。
「鳴海!」
僕が呼びかけると、彼が振り向いた。
「…待っててくれたの?ありがとう。今朝はあんなに怒っていたから、今日は先に帰ってしまったと思っていたよ…」
僕はからかったことを素直に鳴海に詫びた。すると彼は「気にしてない」と言ってくれた。
他愛もない話をしながら、帰路を二人で歩く。そんなささやかな時間が、嬉しかった。
そして、僕らに忍び寄る影が、刻一刻と迫ってきていることに、この時、僕らは気付くことはなかった…。
「…やめておけ。ソイツには構うな。ソイツに構えば…会長が黙ってはいないだろう…」
「…は…はい、でも…規則では…?」
「鳴海悠生!いつまでもオレたちが大人しく引き下がるとは思わないほうがいい。じゃあな…」
浦原はその場にいた風紀委員たちを従えてその場を去った。
一年生にして優秀な頭脳、統率力を買われ、唯一、委員長になっている生徒、それが浦原誠二であることは、鳴海もよく知っていることだった。
佐屋と暮らす前までは、佐屋とこの浦原は自分には生理的には合わない人種だと、信じて疑わなかった。
「鳴海!」
僕が呼びかけると、彼が振り向いた。
「…待っててくれたの?ありがとう。今朝はあんなに怒っていたから、今日は先に帰ってしまったと思っていたよ…」
僕はからかったことを素直に鳴海に詫びた。すると彼は「気にしてない」と言ってくれた。
他愛もない話をしながら、帰路を二人で歩く。そんなささやかな時間が、嬉しかった。
そして、僕らに忍び寄る影が、刻一刻と迫ってきていることに、この時、僕らは気付くことはなかった…。
