
雨とピアノとノクターン
第4章 出会い編:権力者
退院後、鳴海はとても元気になっていた。プールは当分こりごりだ…などと冗談を言っていたけれど、夏にはどこかの海へ行こう!などとはしゃいでいた。この様子だと、全然懲りていなさそうだ。
鳴海は今、僕のバイト先でバーテンとして働いている。堺谷様から学費以外は経済的に自立するように…と伝言を受け、一生懸命に頑張っている。
「未成年なのに…雇うのバレたら大変じゃん」と渋ったマスターを口説き落とし、ちゃっかり今では店の人気者になっていた。
僕の奏でるジャズに鼻歌を歌いながら、グラスを運ぶ鳴海。こうして一緒にいられることが、何よりも幸せだった。
******************************
「………明日の物理のテスト、すんげぇヤバいんだよ!ねぇ…佐屋、頼む!!カンニングの仕方…」
「…断る、拒否する、ダメ、無理!」
「ダーーーッ!ケチ!オレが赤点取ってもいいのかよッ!?一緒に夏休み、補習のせいで海に行けなくなるだろっ⁈」
「…いいよ、僕は医進の予備校があるし」
「…ケーチ!ケチ、ケチ、ケチ!佐屋のドケチ!」
鳴海は今、僕のバイト先でバーテンとして働いている。堺谷様から学費以外は経済的に自立するように…と伝言を受け、一生懸命に頑張っている。
「未成年なのに…雇うのバレたら大変じゃん」と渋ったマスターを口説き落とし、ちゃっかり今では店の人気者になっていた。
僕の奏でるジャズに鼻歌を歌いながら、グラスを運ぶ鳴海。こうして一緒にいられることが、何よりも幸せだった。
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「………明日の物理のテスト、すんげぇヤバいんだよ!ねぇ…佐屋、頼む!!カンニングの仕方…」
「…断る、拒否する、ダメ、無理!」
「ダーーーッ!ケチ!オレが赤点取ってもいいのかよッ!?一緒に夏休み、補習のせいで海に行けなくなるだろっ⁈」
「…いいよ、僕は医進の予備校があるし」
「…ケーチ!ケチ、ケチ、ケチ!佐屋のドケチ!」
