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雨とピアノとノクターン

第9章 暗躍編:トラブルメーカー

そして数日後、佐屋は新宿北山工業高校に出向いていた。
「本当に校内までご一緒しなくてもよろしいのでしょうか?」
 井野口は未だに佐屋を一人にはさせたくないらしい。
「先日言ったとおりだよ、井野口。それに校内で暴れるようなバカなことは彼らもしないだろう?」
「ですが…」
「大丈夫だ。僕はちゃんと彼らと交渉出来る。もちろん、暴力ナシでね」
 佐屋はそう言って校内に堂々と入っていった。
 まずは新宿北山工業高校の職員室を尋ねる。正規にアポを取っているのだから、そこはスムーズに校内に案内してもらえることが出来た。もちろん、|新宿北山工業高校《ここ》の生徒会と交流という《《目的》》に則っている。
「ようこそ、青葉学園生徒会長さん。私は会長の|田所礼音《たどころれおん》です。まぁ、親がDQNなんで女だか男だか判らない名前ですが、よろしく。あとは副会長の矢島と杁中と言います。それにしても何故わが校に興味を持って頂けたのですか?」
 生徒会室に通されると、そこには会長と副会長が2名、合わせて3人の関係者が佐屋を出迎えた。生徒会長らはやや茶髪でファンキーな風貌ではあるがこの学校では優秀なのだと井野口から伝え聞いていた。
「初めまして、新宿北山工業高校生徒会長殿。僕は青葉学園高等学校生徒会会長の佐屋輝です。突然押しかけた無礼をお許しください」
 

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