クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第7章 バルケシルの炎 〜イスタンブール編
3機のギラ・ドライセンが隊列をとって突撃する
立ちはだかる巨大な敵はビーム砲を放ち弾幕を作り近づけようとしない
3機は俊敏に左右へ機体を振り、雨のようなビーム砲をかわして前進していく
「おお、イアンッ!復帰したか!
通信機もショートしたか!
それでも立ち上がるなんて、いつも弱腰だったお前がえらく踏ん張るじゃねぇかッ!?
なぁに、俺たちなら言葉を交わせなくなっても、阿吽の呼吸でカバーできらぁッ!
行こうぜッ!」
ラーズたちのコックピットにロジャー副長からの通信が入るが、当然こちらからは応えない
通信だけではない
全天周囲モニターはいくつもショートして機能不全しており、ブラックアウト、もしくは真っ赤に警告アラートの表示ばかりなのだ
「ローズ、どちらにしてもこの機体は長く保たないぞッ!乗り込んだら捨てることになるからなッ!本当にチャンスは一度きりだぜ?」
「わかってる!」
3機のギラ・ドライセンは高速ホバリングで接近しながら手持ちのメガ粒子ジャイアントバズーカやら、腕に組み込まれたジェネレーター直結の三連装ビーム・キャノンを撃っていく
どこまで牽制につながるかはわからない
「ラーズ、あれ当たってないよね!?」
「みたいだな、うっすらバリアを張ってるようだ、どうする?飛び込んでも乗り込めないぜ?」
「出来るだけ近付いてみて、バリアは他の人間に触れさせないバリケードみたいなものよ!
鍵となるのはわたし
〈エターナルチャイルド〉だわ!
きっとわたしが合鍵になるはず!」
「合鍵? オルタナティブ・キイねぇ?
ちょっと試してみるか?」
ビーム砲に続き、一瞬周りか白く輝いた!
雷撃砲〈ブリッツ〉だッッッ!!
バリバリバリバリバリバリバリバリッッッ!!
3機は散開した!
そのときラーズは一気に加速して敵に突っ込んでいった!
ロジャーからの通信がラーズの機体に響き渡る
「おいッッッ!! イアン!近寄りすぎだ!」
雷撃砲をかわしたものの、すぐにビーム砲が迫ってくる!
急接近したため着弾までのスピードが今までより早い!
着弾!
たまらず、ぐらりと姿勢が崩れた
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