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「倉田くん！　このチョコ、私が作ったの。受け取ってください！」


　目の前には赤いランドセルを背負った、長い髪の女子がいた。クラスで一番可愛い女子だ。女子は赤いリボンで結ばれた小さな箱を俺に手渡してきた。


（ああ……今日はバレンタインデーか）
　

　俺は迷いもなく、その箱を受け取った。そして中身を確認すると、ただのゴミクズが入っていた。


「ぷっ！」


　目の前の女子が吹き出すと、木の影から三人の女子が出てきた。いつものメンバーだ。


「アハハ！　うっける〜！　まさか本当にチョコが貰えると思ったの？」

「あんたなんかにチョコあげるわけないじゃ〜ん！」

「うっわ、こいつまたニヤニヤしてる〜！　きも〜い！」