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透明人間も大変なんだから

第3章 透明人間

コアを破壊さえできればデスエアーは止められてクイン星人に反撃ができる。
しかし、あんなバリアが張り巡らされているからには見つからないように近づいて肉弾戦でコアを破壊するしかない。

そんな奇跡的な所業ができる者なんて・・いたっ。
風魔流の忍びには秘薬を使って透明になれる『透明人間の術』が古から伝わっている。

透明人間は、古くから歴史を変えるような大事件にも深く関わっている。

例えば、鎌倉幕府創設の立役者として活躍した源義経は、兄である将軍源頼朝の怒りを買い、追われる身となってしまった。

追いつめられた義経は奥州平泉で討ち取られたというのが通説であるが、外国まで逃げ延びてジンギスカンになったという突拍子もない伝説も語り継がれている。

しかし、真相は外国逃亡説が真実の歴史であるのだ。
義経を追い詰めた兵たちは得体の知れない攻撃に遭い倒されてしまった。
透明人間の術を使った風魔流忍者の仕業である。
忍者たちは義経たちにも秘薬を使って透明人間にすることに成功し、そのまま、まんまと外国に逃げ延びたのだ。無数の矢を受けて立ち往生した弁慶は風魔流の忍者が用意した傀儡とすり替っていた。

また、歴史上最大のミステリーと言われる本能寺の変にも透明人間は深く関わっている。明智光秀に追い詰められた織田信長は自刃する覚悟を決めた。
この時も風魔流の忍びたちは源義経同様に織田信長を助けようとした。が、信長は「是非に及ばず」と覚悟を変えなかった。戦に敗れて、おめおめと生き延びて惨めな姿をさらしたくないとは、流石は信長殿、天晴な覚悟であった。
信長殿の最期の願いである、この首を明智光秀に渡さないことを叶えるため風魔流の忍びたちは透明人間の術を使った。

透明人間となった忍びたちは清玉上人の阿弥陀寺へ信長の遺体を運び入れ、清玉上人は懇ろに信長を弔った。
信長の遺体を数人の明智勢が目撃しているのだが、透明人間に運ばれているのだから、まるで遺体が宙に浮遊しているように見えた。
その恐ろしい光景に、ある者は腰を抜かし、ある者は失禁してしまった。
目撃者は恐ろしさのあまり正気を失い、光秀に信長の遺体が宙を舞ったことは伝えられなかった。
仮に伝えたとしても信じてはもらえずに、こんな時に戯言をほざくなと怒りを買うことになったであろう。

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