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透明人間も大変なんだから

第4章 流れ星に願いを

最後の希望である透明人間も欲情を抑えられる者がおらず絶望的である。

地球連邦政府の議会は大いに荒れて意見が対立している。滅亡よりはましだから服従しようという意見も多数を占める中、最後の最後まで希望を捨てずに戦おうとする意見も根強くある。

「諦めたら、そこで試合終了だ。最後まで諦めてはいけない」

「諦めなかったら、そこで人類終了だ。時と場合を考えろ」

議会は大いに紛糾する。

「地球の滅亡が懸かっているのに女などに惑わされて煩悩を抑えられないとは情けない忍びだ」と憤慨する議員もクイン星人たちの映像を見て股間がモッコリしてしまっている。映像の中のクイン星人は、胸の谷間を強調したり、パンツがチラチラ見え隠れする超ミニスカートだったりして明らかに地球人を挑発している。

「本当、男は情けない。最低ですわね」
女性議員は汚いモノでも見るようにモッコリしている議員を蔑む。

「皆殺しよりはマシだ。私は奴隷になり下がるぞ。クツを舐めろと言うのなら喜んで舐めよう。土下座をしろと言うのなら地面に頭を擦りつけて土下座をしよう」

必死な形相で奴隷になると発言する議長だが、超ミニスカートのクイン星人を見て、やはりモッコリしている。

「ただ単にクイン星人を下から見たいだけじゃね〜か、エロオヤジ」

「本当、最低ですわね」

議長は軽蔑の眼差しと罵声を一身に受けてがっくりとうなだれるが、画面のクイン星人からは目を離さないでいた。
頭はがっくりとうなだれても亀頭はピーンと真っすぐに上を向いている状態である。

「あ、あの〜、よろしければ某(それがし)が透明人間になってコアを破壊して参りましょうか?」
おずおずと上目遣いをして風魔流の忍び、いや、心はくの一の流星光が透明人間作戦に志願をしてきた。

光は、生物的には男子で、付いてるもんはちゃんと付いているが、心は乙女であり、女子には全く興味もない。
忍びの世界にもジェンダーレスはやってきているのである。

いかに男子とはいえ、心が女子になった者に秘薬の効果があるか疑わしいところであったが、透明人間になることは成功した。心は乙女だから、全裸になるワケにはいかないので着衣のまま試したので、服だけが宙に浮いているという状況になった。

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