
ミニチュア・ガーデン
第6章 喪失した道
チュッと音を立て唇が離れると、彼は何事も無かった様に後始末を再開する。そこがガルクの腕の中であると言うのも全く意に介してないようだ。
「ラーク……」
肉体関係を持ったと言うのに、彼は全くの無関心と言え、その態度にガルクの胸は苦しくなる。拒絶しきれなかった自分の弱さがつくづく嫌になり、悔しさに涙が滲む。
「信じてくれ。俺は本当にお前を愛してるんだ」
目頭が熱くなり、涙が頬を伝う。
ポツンと、彼の肩に雫が落ち、意外に思ったのか、彼が見上げる。
そして、泣いていると気づいて疑問を顔に出す。彼からすると、ガルクは幾多の客の一人と言う感覚が強く、恋人だと言い出す客も居たのでどうでも良かったが、泣き出す客はいなかった。ガルクの涙には、戸惑いも迷惑もなく、純粋な疑問しかなかった。何故、愛していると言いながら泣いているのか、本当に解らないのだ。
ガルクは強く彼を抱き締め、唇を貪り、逃さないと喉元に噛み付いて押し倒す。僅かに抵抗のそぶりは見せたものの、彼は手も足も投げ出して顔を背けるだけだった。
背けた顔に表情はなく、ただ体を投げ出しているにすぎないと態度で示している。
彼の体に情事の印を残しても、楔を打ち込んでも、体液を流しても、心の扉を開く鍵にはなり得ない。
ガルクは彼の薄く傷だらけの胸に縋って泣いた。今の自分が彼に何が出来るのだろうか、と考えてみたのだが、何も思い付かず、あまつさえまたセックスがしたいと思った自分に嫌気がさした。
「ラーク……」
肉体関係を持ったと言うのに、彼は全くの無関心と言え、その態度にガルクの胸は苦しくなる。拒絶しきれなかった自分の弱さがつくづく嫌になり、悔しさに涙が滲む。
「信じてくれ。俺は本当にお前を愛してるんだ」
目頭が熱くなり、涙が頬を伝う。
ポツンと、彼の肩に雫が落ち、意外に思ったのか、彼が見上げる。
そして、泣いていると気づいて疑問を顔に出す。彼からすると、ガルクは幾多の客の一人と言う感覚が強く、恋人だと言い出す客も居たのでどうでも良かったが、泣き出す客はいなかった。ガルクの涙には、戸惑いも迷惑もなく、純粋な疑問しかなかった。何故、愛していると言いながら泣いているのか、本当に解らないのだ。
ガルクは強く彼を抱き締め、唇を貪り、逃さないと喉元に噛み付いて押し倒す。僅かに抵抗のそぶりは見せたものの、彼は手も足も投げ出して顔を背けるだけだった。
背けた顔に表情はなく、ただ体を投げ出しているにすぎないと態度で示している。
彼の体に情事の印を残しても、楔を打ち込んでも、体液を流しても、心の扉を開く鍵にはなり得ない。
ガルクは彼の薄く傷だらけの胸に縋って泣いた。今の自分が彼に何が出来るのだろうか、と考えてみたのだが、何も思い付かず、あまつさえまたセックスがしたいと思った自分に嫌気がさした。
