『ミニチュア・ガーデン』第6章「喪失した道」　126ページ

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ミニチュア・ガーデン

第6章喪失した道

　ガルクが彼を解放すると、それまでの事は何も無かった様に脱いだ服を来て、無表情のまま部屋を出て行き、フェイクのいるベッドへ戻った。
　残されたガルクは服を着る気力も湧かず、全裸のまま倒れ込む様に横になり、一層の虚しさを抱えて夜を過ごした。
　失敗してしまったのだから、また初めからやり直そう。その考えもない訳では無かった。だが、心は無くとも、そこにいる彼を消せなかった。本人ではないと解っているのに、消して新しく創り出そうとは思えなかった。

　朝になり、フェイクとラークが起きた気配に、ガルクは服を着る。ラークの体のキスマークをフェイクが見つけないはずがない。
「首、どうした？」
　案の定、フェイクの尋ねる声が聞こえ、ガルクはため息を吐く。どう説明すれば良いのか、自分は本当に愛しているのだと、どう説明すれば理解してもらえるのか、ガルクには思いつかない。
「ガルク、起きてるかい？」
　ラークに聞いたフェイクが扉をノックし、ガルクは恐る恐る開ける。彼の声のトーンはいつもと変わらず、落ち着いているのが、先の読めない怖さを持っている。
　ガルクが起きているのも意外だったフェイクだが、とりあえずは、と部屋に入り、扉を閉める。