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　いや、そんなはずはない、とガルクは自分を鼓舞する。
　一番知っている、一番理解している、一番愛している、一番愛された、一番長く側にいた自分が彼を望んで創造したのだ。違うはずがない。今はただ、少し違う行動をして、戸惑っているだけだ、と納得させ、内心の動揺を治める事にした。

　一時間近くが経過し、フェイクが食事だ、とガルクを呼ぶ。
　落ち着かせる為だろう、ラークは先に食べたらしく、部屋の隅で膝を抱えて座っていて、フェイクは食器を片付けていた。
　ガルクが出てきたのを、ラークは僅かに顔を上げて見るが、視線を合わせるのを恐れて、顔を伏せてしまう。
　夜はあんなにも積極的に求めたと言うのに、時間が経過してしまうと、またこうも怯えてしまう。
　それは残念に思う一面もあるが、これで元通りだと安心する一面も、ガルクの中には確かにあった。
「ラーク」
呼ぶと彼は一瞬顔を上げたが、怯えて目を逸らす。恋人だった時のように微笑む事はない。この頃の彼はこうだったのだ。そのように作ったのだから、当然だ。
「食べよう」
フェイクが声をかけ、ガルクは促されるままにテーブルにつく。そこには焼きたてのトーストと焼いたベーコンにレタスを添えた、いつか自分がラークのために作ったメニューと同じ物が並んでいた。