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ミニチュア・ガーデン

第1章 無

 何度も想いを通わせて交わった相手にすらこうなってしまう彼なのだ。あまりに弱くて、脆くて、儚くて……。
「ラーク、愛してる」
 彼の全てを受け入れる覚悟は出来ている、と言葉の裏に添えて噛み締めている唇にキスをする。最初は上唇を愛撫するように優しく啄み、少し緊張が緩んだ所で歯型がつく程に噛んだ下唇を舌で労わる様になぞり、苦しそうに息をする口に潜り込む。
「んっ……」
 無意識に漏らしてしまった声を誤魔化す様に、彼の胸の突起を軽く摘まむ。彼の腰がヒクンと弱い反応を示し、口を塞ぎながら更に弱く刺激していると、彼の手が背に伸びて来た。
「気持ち、良い……」
 ようやく緊張が解けた彼が呟く。吐息に混ざった声は色っぽく、ガルクをゾクゾクさせる。だが、まだ焦ってはいけない。敏感になった肉体は弄んでも、脆い心を弄んではいけない。
 言い聞かせながらも、頭が眩む程の魅力を放つ彼の前に、いつまで理性を保っていられるか自信がなくなってしまう。充血して硬くなった性器が、一刻も早く、と彼を求めて脈を打っているのだ。

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