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ミニチュア・ガーデン

第1章 無

『死ぬことを選んでごめんなさい。もう、生きているのが辛いんです。貴方を残してごめんなさい。でも、貴方は殺せません。ごめんなさい。
貴方が悪い所は何一つありません。貴方に愛され、包まれ、共に生活している時間は人生の中で最も幸せでした。人として生きる事がこんなにも喜びに満ちていると教えてくれた事に心から感謝します。ありがとうございます。
でも、貴方は愛せません。好きだった事に変わりはありませんが、それは愛ではありませんでした。
心から愛してくれて、本当にありがとうございます。
死を選んでしまった事を許して下さい。

ガルク、これからもずっと好きだよ』

 それは、彼の遺書。
 ガルクを絶望に叩き落とし、胸を貫く悲しみを与えた、苦痛の現実。
「ラーク……どうして……」
 何度読んでも締め付けらる程に苦しい。何度読んでも嗚咽を堪えられない程に涙が溢れる。
 何度読んでも、彼の言っている事が理解出来ない。
「どうして、言ってくれなかったんだ? どうして、一人で決めたんだ? 俺は……俺を独りにするなんて、何の罰なんだよ……」
 投げ出せない現実を抱き、幾度となく口にした疑問を吐き出す。
 そこはガルクとラークの遺書の世界。
 咽び泣き、啜り泣き、慟哭する声は誰にも届かない。

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