ミニチュア・ガーデン
第1章 無
ビシッ、と大きなガラスにヒビが入る様な音が響いたと思うと、それは瞬く間に部屋全体に広がり、ガラガラと崩壊する。
それは、建物の崩壊と言う生易しい物では無かった。
それは、世界の崩壊だった。たった一人、ガルクだけを残して全てが崩壊し、消失した瞬間でもあった。
「……ラーク?」
虚無すら存在しない世界で、呆然とガルクは呟く。
最初から、ガルク以外の存在はこの世界に存在していなかった。いや、彼がその存在を容認していた時点では確かに存在していた。だが、重要な楔を失った世界は簡単に崩壊し、創造主を残して消失したのだ。
「ラー……ク……」
まるで亡霊の様にガルクは恋人の名を呟く。
先程まで性行為をしていた相手は、誰だったのだろう? と思う。自分が求めて止まない彼は、とうの昔に失っていたのだから。単純に、それを思い出してしまっただけだ。
己の肉体も必要のない世界で、ガルクはラークではない誰かと交わった汚らわしい体を放棄し、同時に消失させた。
一枚の手紙がどこからか浮かび上がって来る。
それは、建物の崩壊と言う生易しい物では無かった。
それは、世界の崩壊だった。たった一人、ガルクだけを残して全てが崩壊し、消失した瞬間でもあった。
「……ラーク?」
虚無すら存在しない世界で、呆然とガルクは呟く。
最初から、ガルク以外の存在はこの世界に存在していなかった。いや、彼がその存在を容認していた時点では確かに存在していた。だが、重要な楔を失った世界は簡単に崩壊し、創造主を残して消失したのだ。
「ラー……ク……」
まるで亡霊の様にガルクは恋人の名を呟く。
先程まで性行為をしていた相手は、誰だったのだろう? と思う。自分が求めて止まない彼は、とうの昔に失っていたのだから。単純に、それを思い出してしまっただけだ。
己の肉体も必要のない世界で、ガルクはラークではない誰かと交わった汚らわしい体を放棄し、同時に消失させた。
一枚の手紙がどこからか浮かび上がって来る。