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ミニチュア・ガーデン

第2章 孤独

 遺書を前に、ガルクは虚しさと孤独に涙を流す事しか出来なかった。心臓を抉る悲しみに嗚咽を漏らし、終わらない痛みに慟哭する。
「ラーク……」
 その名を呼ぶ声は、痛みと同じく途切れる事はなく、ただただ無に吸い込まれる。
 古びた遺書に書かれた綺麗な文字は清書したのだと示し、なぜそこに至るまで彼の異変に気づかなかったのだろうかと、変わり果てた姿を見つけた時からずっと後悔している。
 確かに、ある時から彼の様子は変わった。
 不意に聞こえる物音に敏感になり、ガルクですら近くに寄られると怖がった。それでも、一定の距離を保っていると、彼はいつもと同じで穏やかに談笑していた。当然セックスも、キスも、抱きしめる事も、ソファに一緒に座る事すら出来なかったが。
 彼のそんな恐れは珍しい事ではなかった。何度もそんな事があったので、また少しすれば落ち着くのだと、そう信じて変わらない生活を営んでいた。またいつか腕の中で身を委ねる彼に愛を囁けるのだと、そう信じて疑わなかった。

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