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ミニチュア・ガーデン

第4章 幸せへの崩壊

 「まるで、パニック映画」と捜査員は語る。犯行現場となった民家の浴室は血に染まり、事件の凄惨さを物語った。
 事件は十二月十五日の未明、フェディクス・タウンで起きた。
 被害者となったのはこの家に住む、アダム=ウッドさん(35)一家。家に侵入した犯人は二階の子供部屋で眠っていた長男クリスティーンさん(10)と隣で眠っていた姉のベスさん(12)の首を締めて殺害。奥の寝室にいたアダムさん(35)を殺害し、目を覚した妻のキャロラインさん(33)は鈍器で頭を数回殴って死亡させた。
 犯人はその後、殺害した家族を浴室に運び、性的な行為をして解体をした。
 アダムさんが出社しないと心配になった同僚が午後一時に様子を見に行ったところ、犯行が発覚。浴室で全裸になり、ウッドさん一家の血に塗れた犯人はそのまま逮捕された。
 この犯人と似た人が他の犯行現場周辺でも目撃されており、決定的ではないが、警察は連続殺人と見て捜査している。
 しかし、犯人は意味不明な事を繰り返し、名前すら口にしないため、事件の真相が明るみになるのは時間がかかりそうだ。

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