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君と優しさはずるい

第15章 副作用②


苦しい…息ができない…もうやだ…


先生の声が遠く感じてきた瞬間に先生が機会の停止ボタンを押して止めてくれた


やっと息が出来ると思ったのもつかの間、私は咳を止められず呼吸を中々元に戻せなくなっていた

「ハァゲホゲホゴホッッ…ヒクッハァゲホゴホ…ゲホゲホゴホッ」


呼吸したいのに出来ない…思うようにならない体に焦り恐怖心から涙が出てきてパニックを私は起こそうとしていた


すると先生がぎゅっと抱きしめて背中と頭を撫でて落ち着かせようとしてくれた

「せな〜大丈夫大丈夫。ゆっくり深呼吸するよ〜焦らないで大丈夫だから」

「ゲホゲホハァヒクッ…ハァ…ヒクッゲホゴホ…フゥ…ゲホゴホ…ハァヒクッ…フゥ」

私がしたのは決して上手とは言えない浅い呼吸だった

でも先生は

「上手上手。その調子、ゆっくり呼吸するよ、大丈夫もう怖くないよ」

私を安心させるようにずっと声をかけて大丈夫と言ってくれた


しばらくすると咳と呼吸は落ち着いたが、涙が止まらなかった


「うッヒクッ…もうやだ〜グスッ…ゲホゲホッ…やだヒクッ…」


先生は黙って私の涙をタオルで拭きながら頭を撫でてくれた


わかってる。どれだけ私が嫌だと泣こうが先生は辞めよっかなんて言ってくれない


だから先生は今もこうやって私が嫌だと言うのを黙って聞いてる。


そして先生は黙ったまま機会に残ってる薬の量とタイマーを見た

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