君と優しさはずるい
第15章 副作用②
んーあとこれぐらいか…ちゃんとやらないと発作が起きそうなんだよな
しかもさっきむせてばっかりで全然薬吸えてないからな
どうするか迷うな……
俺は泣いている星菜の顔を無意識に切なそうな顔で見つめていた。そしてすぐにナースコールを押して先程の3分の1の量の吸入の薬を持ってきてもらった
もちろん星菜はすぐに察した
「嫌だ!やだやだ〜グスッ…もうやらない〜ヒクッ…苦しいのやだ〜グスッゲホ」
星菜の目からは大粒の涙がたくさんこぼれおちている
「最後にちょっとだけ頑張ろ、これでお終り。これ頑張れば発作は起きにくくなるからね?」
そして俺がマスクを持って星菜の顔に近づけると星菜は首を大きく横に振って拒否した
「やだ〜ヒクッ終わりグスッ…もうしないの〜ヒクッ」
星菜は子どものように泣きはじめた
これじゃ説得は出来ないか…可愛そうだけど仕方ない
「星菜。いい加減にしなさい。やらないって選択肢がないことぐらい自分が1番分かってるんじゃないの?少しでも呼吸楽にしたいならいつまでも泣いてないでさっさと泣きやみなさい」
星菜は近くに置いてあったタオルで顔を隠して少しの間大泣きした
そして心を決めたのか涙でいっぱいの目をタオルで拭いて深呼吸をした
「そろそろ始めるよ。次は先生が抑えておくから星菜は深呼吸に集中してな」
俺はそういった後すぐに星菜の顔にマスクを固定してスタートボタンを押した