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君と優しさはずるい

第16章 中庭へ


あれから5日経った

私はこの5日間で熱は上がったり下がったりで今はやっと落ち着いた。そして喘息の方は点滴により回復し今朝の診察で咲月先生にもう大丈夫と言われた

今はお昼前。時間で言うと11時ぐらいかな

さっきまで病室のベットから窓の外を見ていた

今日はとても晴れていて外に出たら気持ちいいだろうなと思いながら眺めていた。気がつくと私は中庭のベンチに座っていた

「あ〜あ…先生に怒られちゃうな〜」

私は上を向いてぼそっと呟いた

ここのベンチは大きな木のおかげで日陰で涼しく休憩したり、自分の空間に浸りたい時にちょうどいい

昔から入院してる子はここがお気に入りの子が多い

「……あの」

私は自分の思いに耽っていたが声をかけられ現実に戻った

私は声が聞こえた方を見た

誰だろう……?

すごく白くて細い子だ。見た感じ私より年下かな…

「はい…どうしました?」

私はニコッと笑ってその子に答えた

「となり…座ってもいいですか…?」

「はい!ぜひ座ってください!1人じゃ寂しいので(ニコッ」

私はニコニコの笑顔で言った。正直病室にいても1人で会えるのは兄と担当医そして看護師さん達だけ

だから医療従事者以外の人と話すことがちょっと…いや凄く嬉しかった

「…ありがとうございます」

そう言って女の子は私の隣に座った

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