真夏の夜の夢
第6章 第五夜
豊の体に馬乗りになっている女霊のように
知美の体にまとわりついた白いモヤも
同じように人の形になって行きます。
そして冷たい濡れタオルで
足首を握りしめられたような感覚と共に
自分の意思とは関係なく股をM字に開かれて行く。
怖いという意識よりも
不可思議な現象に逃げることもできません。
いえ、それよりも脚をM字に開かれたまま
知美は金縛りにあったように体が固まってしまっていたのです。
やがて白いモヤが人の頭部を形成し、
目鼻立ちがわかるようになってきました。
豊を抱いている女霊のように
とても青白く…
いえ、間近で見るとその色は土気色で
まったく生気がなかったのです。
そしてその土気色の額からは
真っ赤な血が流れ落ちていました。
『成仏させておくれよ…』
地の底から響くような声が
知美の心の中に聞こえました。
次の瞬間、冷気がおま○この中に
流れ込んできたのです。
挿入されたというには程遠かった…
陰唇を割り開く感覚も子宮を突く感覚もなく
ひたすら冷たい空気が
体の中に染み込んでくるようでした。
隣ではペニスを勃起させた豊が
「ああっ!出るっ!!」と呻いて白い人の形のモヤを突き破るかのように濃厚な精液を空中に放出しました。