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DOLL(愛しきラブドール)

第1章 ラブドールを拾った


俺は西嶋健介、24歳の独身だ。

ミュージシャンを夢見て上京してみたが
鳴かず飛ばずで
気がつけば、しがないリサイクルショップの
廃品回収係のバイトに落ち着いた。


もちろん安月給だし、
イケメンでもないこんな俺には
彼女なんていない。


風俗に行く金もないから
恥ずかしながら、いまだに童貞だ。


そんな童貞野郎が
ダッチワイフを持ち帰りたいと言ったんだから
使い道はただひとつ…



そんな俺の心を見透かすように、
先輩は終始ニヤニヤしていた。

でも、男の気持ちは
男にしかわからないというやつで

先輩は深夜までダッチワイフを
倉庫に隠してくれて
深夜にこっそり俺の部屋まで届けてくれた。



「昼日中にこんなのを運んでたら
死体でも運んでいると思われちゃ困るしな
まあ、今夜はソイツでゆっくり楽しめ
あ、誰が使っていたかわからねえし、
よく洗って使うときはゴムをつけろよ」と
ご丁寧にもアドバイスまでくれた。

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