DOLL(愛しきラブドール)
第7章 忍び寄る影
ドアを叩くのを無視していると
ノックは止むことなく次第に激しくなってゆく。
居留守を決め込もうとしていたが
けたたましくドアを打ち付ける音が耳障りだ。
「誰だよ!今、忙しいんだよ!!」
先輩は枕元に置いてあったテレビのリモコンを
ドアに向かって投げつけた。
「警察です!開けなさい!」
冷たく威圧的な声が先輩の耳を突き刺した。
- 警察? -
バカな!何故バレるんだ!
「管理人さん。お願いします」
冷たく威圧的な声が、やや柔和になり
そこにいるであろう管理人が
マスターキーでドアの鍵を解錠した。
ドアが開くと数人の男たちが
狭い部屋になだれ込んできた。
背後から覗き込んでいた西嶋が
先輩の体の下で
抱きすくめられているドールの貴美子を見つけて
先輩を突き倒して
「ごめんよ貴美子!怖かったろう?」
と言って抱きしめた。
警官の一人が警察の身分証を掲げながら
「三村崇だな?
住居不法侵入、窃盗の罪で逮捕する!」
そう言って先輩の手首に手錠をかけた。
西嶋はドールの貴美子を抱き起こし、
貴美子の乳首に
安全ピンが突き刺さっていることを警官に告げた。
「どうやら器物破損の罪も重なるようだな。
詳しいことは署で聞くからな」
先輩は手錠をされた手でパンツとズボンを履き、
上着で手錠をされた手首を隠されて
上半身は裸のままパトカーに連れ込まれた。
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