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波乗りの浜

第1章 波乗りの浜

 ③
 そう、JKがクルマの横に座って俺の波乗りを眺めているのだ。

 波は大きければ大きくなる程に沖で波乗りをする、だから顔までは分からないがセーラー服を着ているようである…
 間違いなく女子高生、JKであった。

 このセーラー服は確か地元の、そこの高台にある女子高校だよな…
 ま、車上荒らしではないみたいだから平気だろう…
 俺はその存在に構わずに、波乗りを続ける事にする。

 こんな絶好のロケーション、そして一人で波乗りという様な貸切状態は二度とないであろうから…
 それに、せいぜい盗られて困るのはスマホくらいであったから…

 結局、日が落ち、暗くなるまで波乗りに没頭してしまった…
 約5時間も波乗りをしてしまい、さすがに疲れ果てた。

 そして最後の波に乗り、砂浜の岸に上がり、重い足を引きずりながらクルマの元へと歩いていくと…

 まだ、女子高生、JKが居たのだ。

 そして間違いなくあの高台にある女子高校の制服であった…


「おじさん…なかなか上手じゃん」
 するとJKは普通に俺に話し掛けてきたのだ。

 その顔は満面に笑みを浮かべている…

「あ、うん、そうか、ありがとう…」
 その予想外な声掛けに、逆に俺が慌てて、そんな返事をしてしまう。

「つい…見惚れてしまったわ…」
 そして、そうも続けてきた。

「見惚れ…それは嬉しいなぁ…」
 そう返しながら、JKの顔を、姿を見る。

 おや、案外と可愛いい顔をしてるじゃないか…
 
 それに、笑顔がいい…

「あら、おじさん、意外にカッコいいじゃん」
 すると、そうも言ってきた。

「お、JKからそう言われるのは光栄だなぁ」
 それは本音であった。

 ただ、『おじさん』て、言葉には引っかかるのだが…
 ま、JKから見たら30歳半ばは間違いなくおじさんではある。
 
「ふーん、なるほどねぇ…」
 と、俺が着替え始まると、そのJKはおもむろに置いたサーフボードをしゃがんで眺めながら、そんな感じで呟いていた。

 おや、サーフィンが分かるのか?…

 サーフボードの違いとか分かるのか?…

 そういえば、顔が黒く日焼けしているようだが…
 と、そのしゃがんでいるJKの様子を着替えをしながら見る。

 すると…

「あっ、今、わたしのパンツ見ようとしていたでしょう」

 そう言ってきたのだ…
 


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