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『エリーゼのために…』

第1章 エリーゼのために…

 3

「さあ、上がって…」
 そして僕はこの窓からリビングルームに上がった。

 すると…

「ねぇぇ、葵さぁん、あおいさぁん…」
 と、リビングルームのドアの奥から女性の呼ぶ声が聞こえてきたのだ。

 あ、葵っていうんだ…

「あっ、まずっ」

 すると彼女は、その声が聞こえた瞬間に少し慌てた感じになり、そしてキョロキョロと回りを見ながら…

「ねぇ、ここに」

「えっ?」

「こっち」
 そう言いながら、手招きし、ピアノの下を指指してきた。

「えっ?」

「いいから、早く、こっちに」

 そして僕はその導きのままに慌ててピアノの下に潜り込み…

「あっ」

「しいっ…」

 なんと彼女は…

 両脚をグイッと開き…
 僕を、黒いロングスカートの中に押し込んだ、いや、入れたのだ。

 黒いロングスカートはニット製だから伸び、僕はスッポリと覆われた…

「ほら、頭を奥にっ…」

 グイッと頭を引っ張られ…
 つまりは、僕の頭が彼女の股間ギリギリまで寄ったカタチになった。

「あ、葵さん、あら?、誰かいらしたの?」

「いえ、お母さま、誰も…」

「あっ、そう、あのね…」

「はい」

「わたくし、今からお出掛けしてきますから…」

「あ、はい」

「なんかお父様も遅くなるって…」

「はい、大丈夫です」

「ごめんなさいね、あ、ちゃんとお薬飲んでね…」
 そんな会話を交わし、母親は出て行った。

 僅かなその間、僕は彼女のスカートの中に潜り込み、そして股間ギリギリに顔を寄せ…

 ドキドキ…していた。

 まさか…

 まさか…

 スカートの中に入って…

 隠れるなんて…

 ドキドキしていた…

 そして…

 ズキズキもしてきていた…


 なぜならば、スカートの中は…

 得も云えぬ…

 なんというか…

 言葉に表せられない様な…

 魅力的な香りがしていたからである…

 そしてタイツ、いや、ストッキングであろうか…
 そのザラザラとした感触が僕の頬に触れて、気持ち良いのだ。


 あ…

 え…

 すると…

 太腿が…

 僕の顔をギュッと挟み込んできた…





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