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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第6章 カタログ NO 5 秘密の個人授業 前編

「時間…掛けすぎ…だとでも
言いたいのか?光太郎。
だけど、それで丁度いい相手なんだ。
それぐらいしないとダメな相手…でもあるし」

そう言いながら総一郎は
空になった自分の皿を
光太郎に差し出すと
それを持ってキッチンへ向かって行って

「だから、珍しい…って僕は
言ってるんだよ、兄さんだったらさ
そんな慎重になる必要も
ないんじゃないのかなって」

そうキッチンから光太郎の声がして来て

光太郎は中学生だが…

俺と2人きりの時と

母さんが要る時のキャラを使い分けてる


「分かってるなら、そんな
遠回りな聞き方しなくても
いいんじゃないのか?光太郎」

お代わりのよそわれた
皿を光太郎の手から受け取ると
カレー皿の中のゴロゴロとした
じゃがいもをツンツンと
スプーンの先で総一郎が弄ぶ

「先生…、だよね?相手」

お互いの視線がぶつかって
その後に沈黙が続いた

「遠回りな聞き方しなくていいって
言ったの、兄さんの方だよ?兄さんさぁ
それ、本気…なんだよね?」

「さあ、どうだろうな?それは
光太郎の目に見える通りだろ?」

そう総一郎が言うと
その話はお終いと言う空気になって

もくもくと無言のままで
お代わりのカレーを平らげて
自分だけさっさと食べると
更にお代わりをよそいにキッチンに向かって

カレーをよそっている
総一郎の後姿を
光太郎は静かに眺めていた


ーーー
ーー



補習と仕事を終えて
若葉は自分のアパートに戻った

明日は花火大会の引率を引き受けていて

浴衣で皆が来るからと
先生も折角の花火大会なのでと

浴衣で来るように言われてしまった

浴衣…コロナの所為で

祭りらしい祭りもこの数年なかったし

日の目を見る事も無かったな 浴衣

自分が持っている
5枚の浴衣を若葉が
ベッドの上に広げた

「こっちは、
若い時に買ったやつだし…な、
こっちは、学校の行事で着るのに
買ったやつだから、大人し過ぎるか?
こっちは、姉さんがくれたやつ…
品物はブランド浴衣だから悪く無いが
少々柄が、派手過ぎるか…」

ベットの上のスマートフォンから
LINEの通知音が鳴って

若葉がLINEを確認すると
渡辺3姉妹の長女の
渡辺ゆいかからのLINEだった

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