
おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第7章 カタログ NO 5 秘密の個人授業 後編
そう自分の額に手を当てながら
呆れているとも怒っているとも
どちらとも取れるような口調で
若葉に対して総一郎が言って来ると
自分の背に乗るように促して来るから
「いや…、その、獅堂。
そう言う意味ではなくて…だな。
その辺で、絆創膏でも買って来てくれれば」
「先生をここに、決して短時間でも。
俺が、一人にして置けませんから。
文句でもお説教でも聞きますから、
とりあえず、早くして貰えませんか?」
私がそれを渋ったから
そうしやすい体勢のままで
総一郎を待たせていたので
若干イライラした様子でそう言って来て
「い、いい…のか?獅堂」
「俺が、そうしろと言ってるんですが?
それよりも、そうするんだったら
早くそうして下さい、でないと
俺はずっとこうしてるままなので」
「す…すまん…獅堂…」
――――――――等とまぁ
こんなやり取りが
私と獅堂との間にあって
私は今 彼におんぶされて
家まで運ばれているのだが…
徒歩圏内とは言え…ど
それなりに距離があるので
「なぁ…、獅堂。重くないか?」
別に私は太っても居ないが
スレンダーな方でもないし
良くも悪くも普通な体格だから
決して軽くは無いのだが…
「重いと言ったら、怒るでしょ?
まぁ先生の性格なら、
軽いと言っても怒りそうですが」
「知ったような…事を言うんだな、獅堂」
そう言いながら
その獅堂の背中に
若葉が自分の顔を押し付ける
「まぁ、…それは…何となくには。
でも、いいんですか?先生。
俺に、家、知られちゃいますよ?
どうするんですか?毎週、週末に
押しかけるかも…知れませんよ?俺が」
「獅堂、お前は元々私を家まで
送ってくれるつもりだったのにか?
ただ、私を家まで送るだけ
送り届けて、お前は帰るつもりか?」
「……先生、あまり俺を、その、
煽らないで…頂きたいのですが?
その気があると、解釈しますよ…俺は」
今まで散々 人の逃げ道を
塞いでまで ガンガンに押して来た癖に
いざとなると 戸惑うのかと
その彼の心の葛藤を垣間見てると
やっぱり どこか大人びて見える彼も
高校生なんだなぁと思ってしまう
ぴと…と 獅堂のその背中に
自分の身を寄せる様にすると
その肩に回している腕に力を込めた
