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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第9章 カタログ NO 7 たまにはこんなデートでも

思わず それが考えるより先に
私の口から出てしまって居て

「まぁな。
他所で女こさえたりしてよ。
お袋に手ぇ上げる様な、とんだDV野郎だ。
何が問題って言うとなぁ、
んなクソみてぇな親父に、
お袋がぞっこんだって事だわな」

そう言いながら いつもなら
音を立てたりしない石黒が
苛立たし気な様子でスパゲティを
フォークに音を立てながら巻き付けて居て
昔あったお父さん絡みのあれこれを
思い出してるんだろうけど

石黒さんとしては離婚しても
良かったとか思ってた時期があったのかな?

その辺りの事は 
そっとしといた方がいいのかな?

結婚とかってまだ慌てなくていいけど
石黒さんがそう言う話して来ないのって
関係あったりとか するのかなぁ?

エスカルゴの旨みのオイルに
ちぎったガーリックトーストのバゲットを
石黒が浸して食べていて

「これっ、めっちゃ美味めぇぞ?食えよ」

アヒージョに
バゲット浸して食べたら美味しいもん

ここのエスカルゴ美味しいから
絶対に美味しいに決まってる

ボリュームのあるランチでお腹がいっぱいになって

ギオットーネを後にする

ここから クジラちゃんのお友達がいる場所は

歩いて10分程度の距離にあるから

「食ったな。んじゃぁ、行くか」

「美味しかったですね、石黒さん」

「そろそろ、その石黒さんって言うの
止めにしねぇか?ゆりか」

「ええっ、あ、えっとぉ、律さん」


そう呼んで ドキドキしてしまっている

呼びなれない呼び方に
ドキドキしてるんじゃなくて

下の名前で呼ぶのは えっちの時だから

パブロフの犬じゃないけど

私の脳内に刷り込まれてるのかも?

「手、繋ぐか、ゆりか?」

「手ッ、繋ぐっ、繋ぎますっ、繋ぎたいですッ!」

「どんな、三段活用かよ?ん、手な」

空いている方の手をこちらに差し出して来て

石黒の手を取って繋いだ

「んな、繋ぎ方
してんじゃねぇよ。こうだろうが」

普通に繋いだ手を恋人繋ぎにされて
ギュッと上からその手を握られると
その手を自分の上着のポケットに
導いて入れられてしまって

「にゃっ…ッ、あっ、あのッ、
石ぐ…じゃなかった、律さん?」

「11月になって、寒くなって来たからな。
別に、付き合ってんだからよ、
手ぐらい繋いでも良いんじゃねのか?」

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