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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第10章  カタログ NO 8 地味な彼女の派手な秘密


「…宇梶さんの、コレ…、欲しい…ッ」

そう 素直過ぎるほどに
素直にソレを強請ると
二ッと宇梶が口の端を曲げて笑って

「んじゃ、決まり」

口裏を合わせる事に合意したけど

どうするんだろう…?

と…こちらが心配していたのもつかの間で

宇梶が大音量で自分のスマートフォンの
タイマーで着信音を鳴らし始めて

掛かって来ても居ないスマートフォンを
自分の耳に当てて

居眠りをしていて
バスを降り損ねた人を演じるから

「おいっ、來未。起きろ
駅、過ぎちまってッし!」

と言って死角に居る私の肩を
叩いて起こすふりをするから

どうやら 一緒に寝落ちをしていた
知り合いか何かの設定の様だったので

ふぁっとあくびをするフリをして
んんっと腕を伸ばして
死角から自分の存在を
運転手にアピールすると

「んーーー?もう、朝ぁ~?」

今の今まで 眠って居ましたと
言うふりをして そう言うと

宇梶が來未の身体を
引き寄せながら立ち上がらせると

そのまま ヒラヒラと
運転手に手を振って

「あ、すいませーーん。
運転手さん、俺達、ここで降りますんで」

ドアを開いて欲しいとそう指を差して
運転席に私の肩を抱きながら
耳元辺りをその口元でくすりながら
酔ってる人みたいに身体を擦り寄せて来る

酔っ払い…のフリ…してる?

「んっ、もう、まだ…、酔ってるの?
ってきゃあ、どこ触ってんのっ」

「んー、來未のお尻…ぃ」

バシバシと宇髄の頭を來未が
何度も叩いて 酔っぱらいをあしらう
フリ(と言ってもお尻は現在進行形で
撫でられているんだけども)をしながら

「すいません、お世話になりましたぁ~」

運転手に頭をぺこぺこと何度も下げて
宇梶を引っ張りながらバスを降りる

『あー、ご乗車…、ありがとうございました。
またのご利用、お待ちしております』

そう運転手が戸惑いながらも
テンプレートな文言をこちらに返して来て

そのまま バスターミナルに降り立つと

スルッと宇梶が來未の腰に
自分の腕を回して来て
グイっと身体を引き寄せられてしまう

「ね?案外、何とかなったでしょ?」

「それは、そうかも知れませんけど。
でもっ、お尻は、触らなくていいですッ」

「あっれぇ、それ?
そんな気にしちゃう感じなの?」


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