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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第11章 カタログ NO 9 ユガミノクニ
息が上手く出来ない
空気が重く感じる
にこっと目の前の沙夜が笑う
「じゃあ、総一郎さん。
今、着てる物を全部脱いで…。
その、赤い椅子に座って?」
口調も声色も強くはない
強制してる訳じゃない
だが 拒否権が無いのが分かる
「俺を…、どうするんだ?」
恐る恐るそう訊ねた
「私は、何も教えて貰ってないよ?」
ああ そうだ
そうだった
俺は彼女には何も教えて居ない
「同じ事を…するんじゃないかな?」
自分がするのに 酷く他人事の様に言って来て
はぁはぁと自然と息が乱れて来る
一枚 また 一枚と
自分で着ている物を脱いでいくと
後は一枚 下着だけの姿になった
「全て脱いで、…その椅子に」
そう後ろから俺の肩に
沙夜が手を置いて来て
耳元でそう囁いて来る
その蠱惑的な響きの声が
自分の鼓膜を揺らす
グッと自分の下着に総一郎が手を掛けて
履いていたボクサーパンツを脱ぐと
そのままストンと床の上に落とした
「ここの部屋、面白いね」
一瞬 自分の耳を疑った
この部屋が面白い?
俺の思いつく言葉で
この赤い椅子の部屋を言い換えれば
お仕置き部屋 もしくは
拷問部屋 あるいは
処刑部屋…と
例えるのが正しいのかも知れない
沙夜が壁に隠し棚にしている
色々な道具を入れている入れ物を引き出して
赤い椅子の上の総一郎の後ろに回ると
赤いフェイクレザーで出来た
本来なら首と手首を一緒に拘束する
拘束具を取り出して来て
わざとそれを逆にして総一郎の首にはめると
手首に付ける方を椅子の背もたれに固定した
椅子の脚と総一郎の足首も一緒に固定して
何故か両手の自由は許されていて
その手の自由を沙夜が
俺に許した理由がすぐに分かるのだが
沙夜が先程 石黒から
受け取った紙袋を見せて来て
中に入ってる物を取り出して見せて来る
「コレ、知ってるでしょ?
私にさせたみたいにして欲しいな」
沙夜の手にあるのは
オナホと呼ばれる物で
男が自慰行為に使う場合が多い代物だが
「それも、貫通式でサイズも小さいの」
「そうか、それは石黒も随分と…。
少ない方を選んで来たな…」
「おしゃべりはいいから、使える様に。
自分でしてね?総一郎さん」
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