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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ

第11章 カタログ NO 9 ユガミノクニ


俺の名前を…呼んで来るのに

それなのに…

身体だってこんなにお互いの
体温を感じられる位に
その重みだって感じられるのに

自分の耳に掛る吐息の熱だって


感じられるほどに 近いのに

どうして こうも…


君が 遠いと感じてしまうのか…


「んんッ、あぁあんっ、あんッ」

沙夜がその顔を歪めて
甘い声を上げて 貪って居る快感を

与えているのは 俺じゃない

そうなっている彼女を

近すぎる位の距離で
見せつけられているだけだ

スルッと沙夜が総一郎の
ガチガチにそそり立っている
陰茎に手を伸ばして来て

「…っ、君は触れるのに、ハァ
俺が触れるのは…ダメ…、なのか?」

「総一郎、この部屋は何をする部屋なの?」

笑みを浮かべながら俺に
沙夜が問いかけて来て

「それに…総一郎が
先に、私を許してくれないと…
総一郎と出来ないよ?だってここに
挿いったままだもん、そうでしょ?」

沙夜が俺に許しを乞う

俺が許しを乞いたい気分なのに

俺がそうされる おかしな気分だ


許されたいのは 俺の方なのに

許すのは俺なのか?


許しを乞う様な
そんな台詞を


どうして 君は そんな風に

笑いながら 求めて来るんだ?


沙夜



ユガミノクニ



歪んでいるのは  貴方 それとも


私?



「沙夜、その、手は…」

「外さないよ?」

「…沙夜、キスは…?」

「うーん、しないかな?」

「沙夜」



「後、…総一郎は…動かしちゃ…、ダメ」

「…何もかも、ダメなのか?」




「なら…、しなくていいの?」




「怒ってる…んだろう?俺のした事に
だから、それの仕返し…なんだろう?」

「ねぇ、総一郎…、本当は
総一郎は…、どうして欲しかったの?
私、ちゃんと、言われた事、守ってたよ?
言って欲しいって、言ってないよ?
こっちからだって、言ってないよ?」


そうだ 俺は試したんだ

約束を破って来ない彼女を

怖いと思ってしまったんだ


だから 試したんだ


俺が試したのは 彼女じゃなくて


俺の方で



俺は俺の気持ちを確かめたんだ



極めて極端な方法を使って



「沙夜、君は…俺が怖くないのか?」

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