ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
「よう悠里ぃ、久しぶり…」
「………」
「おい、シカトかよっ」
わたしは行きつけのバーである…
『Bitch(ビッチ)』
の、カウンターで会社帰りに一人で飲んでいると、30代前半のサラリーマン風の男が声を掛けてきた。
カチャ、ジュ…
「ふうぅ…」
そしてZippoで『LuckyStrike』に火を点け、煙を吐き…
「え、誰でしたっけ?」
と、呟いた。
「あ、俺だよ、この前ヤッたオレだよオレ…」
「あら、そうだったかしら?
酔っ払ってたから覚えてないわ…」