ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
43
そして更に一週間が過ぎた…
彩ちゃんに確認すると、わたしと駿くんの話しをした先週に一度だけ電話を入れたのだが、やはり、応答は無く、折り返しも来なかったとの事であった。
「あまりしつこいのもねぇ…」
「そうよね…」
もちろんわたしにも一度たりとも駿くんからの着信は無かった。
「きっと、わたしたちのオバさんパワーに嫌んなっちゃったんですよぉ…
わたしは諦めましたぁ…」
「うん、そうね…」
確かに諦めるしか無かった。
本当に道端で拾った仔イヌを、いや猟犬の、ハウンドドッグの仔イヌを拾ったと…
ううん、違うのだ。
道端で隠れていた危険な仔イヌに噛み付かれたのだ…
「また悠里さん、かわいい仔イヌを拾ってきてくださいよぉ」
「うん、でも、危険な仔イヌだったけどね…」
と、わたしがそう呟くと…
「確かに、危険だったわぁ…」
と、彩ちゃんは残念そうに応えてきた。
「ところでさぁ、今夜は忙しいね」
「はい、そうなんですよぉ、ハロウィンだからかなぁ?」
そうなのだ…
今夜はいつもよりも、いや、ほぼ満席で、比較的静かな店内も騒ついていたのである。
「あ、ハロウィンかぁ…
でも、この中には仮装してる人は見えないわよねぇ?」
「確かに…
あ、他がいっぱいだから流れてきてるかもですねぇ…」
そう言った先から、また、カップルのお客が入ってきた。
こんな時は、彩ちゃんの邪魔をしないように静かに一人で飲み…
そして、あと一組のお客が入ってきたら退散しようと思っていた。
そうかぁ…
わたしたちはフラれてしまったかぁ…
わたしはオリジナルカクテルの
『ソルティビッチ』を飲みながらそう考えていた。
もう少し駿くんとは遊びたかったなぁ…
そう想いながら…
ふと、先週のスポーツジムのインストラクターとの夜を想い返し、あの夜の物足りなさを自虐していた。
え…
すると、カウンターの反対側に座った、さっき来店してきたカップルの視線に気付たいたのだ。
それも…
女性の方の視線に…
そして更に一週間が過ぎた…
彩ちゃんに確認すると、わたしと駿くんの話しをした先週に一度だけ電話を入れたのだが、やはり、応答は無く、折り返しも来なかったとの事であった。
「あまりしつこいのもねぇ…」
「そうよね…」
もちろんわたしにも一度たりとも駿くんからの着信は無かった。
「きっと、わたしたちのオバさんパワーに嫌んなっちゃったんですよぉ…
わたしは諦めましたぁ…」
「うん、そうね…」
確かに諦めるしか無かった。
本当に道端で拾った仔イヌを、いや猟犬の、ハウンドドッグの仔イヌを拾ったと…
ううん、違うのだ。
道端で隠れていた危険な仔イヌに噛み付かれたのだ…
「また悠里さん、かわいい仔イヌを拾ってきてくださいよぉ」
「うん、でも、危険な仔イヌだったけどね…」
と、わたしがそう呟くと…
「確かに、危険だったわぁ…」
と、彩ちゃんは残念そうに応えてきた。
「ところでさぁ、今夜は忙しいね」
「はい、そうなんですよぉ、ハロウィンだからかなぁ?」
そうなのだ…
今夜はいつもよりも、いや、ほぼ満席で、比較的静かな店内も騒ついていたのである。
「あ、ハロウィンかぁ…
でも、この中には仮装してる人は見えないわよねぇ?」
「確かに…
あ、他がいっぱいだから流れてきてるかもですねぇ…」
そう言った先から、また、カップルのお客が入ってきた。
こんな時は、彩ちゃんの邪魔をしないように静かに一人で飲み…
そして、あと一組のお客が入ってきたら退散しようと思っていた。
そうかぁ…
わたしたちはフラれてしまったかぁ…
わたしはオリジナルカクテルの
『ソルティビッチ』を飲みながらそう考えていた。
もう少し駿くんとは遊びたかったなぁ…
そう想いながら…
ふと、先週のスポーツジムのインストラクターとの夜を想い返し、あの夜の物足りなさを自虐していた。
え…
すると、カウンターの反対側に座った、さっき来店してきたカップルの視線に気付たいたのだ。
それも…
女性の方の視線に…