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お人好しは何かと巻き込まれる

第11章 事後報告と勇者の憂鬱

ライラは領主の娘で顔が効くのか男達は
悪態をつきながらも去って行った。

「ライラさん!ありがとう!」

「ライラでいいわ。私も
ルシアリアと呼ばせてもらうわ」

「うん!ライラ、助けてくれてありがとう」

久しぶりの再会に二人共喜ぶ。

「町に来てるなんてビックリしたわ。
遊びに来たの?」

「フォルトがギルドに報告に行ったから
待ってるところだよ」

「まぁ!あの勇者様ね!」

「!…勇者…様?」

「魔王を倒したから勇者様!
ヴァンパイアも倒してくれたし本当にお強いのね!」

勇者と呼ばれてすごいはずなのに
なぜか遠い存在になったようで
複雑な気持ちになる。

「そんな勇者様に溺愛されてるなんて
すごく羨ましいわ」

「へ?」

モヤモヤしてた気持ちがその言葉で吹き飛んだ。

「あら、付き合ってるのでしょう?
女の私にでさえあなたに抱きついてたら
微妙な顔してたのよ」

笑いながらあの朝の事を語ってくれる。


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