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お人好しは何かと巻き込まれる

第11章 事後報告と勇者の憂鬱

「フォルト?」

「これじゃあ、逆だよ」

溜め息をついた後フォルトが
情けなさそうに呟く。

「逆?」

「俺はルアを甘やかすのが息抜きなの。
ルアに慰められてるなんてカッコ悪い」

「なんで?どんなフォルトも
カッコいいよ!私はフォルトが
私の事想ってくれてるってだけで幸せだし」

「ルアは安上がりすぎる。
もっとワガママ言っていいんだよ」

「私が?今はフォルトの話だよ~」

「俺のワガママはルアを
ベタベタに甘やかすこと!」

「何それワガママになってないよ~
私のワガママって言っても…

…なら…

もっと…フォルトといれたら幸せ…かな
…だから…いっぱいくっついてたい…かな」

自分の欲を言うのに慣れてないから
言うのに照れてしまう。

「やっぱり安上がり。俺はくっついてるだけじゃ
足りない。ルアの全部欲しい」

フォルトの熱い想いは膨らんでいくばかり。

その想いが嬉しくてルシアリアは串焼きを
持ったまま両手を広げた。


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