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お人好しは何かと巻き込まれる

第11章 事後報告と勇者の憂鬱

「もう全部フォルトの物だよ!
全部あげる!」

ルシアリアは素直な気持ちを全部差し出す。

自分の気持ちもさらけ出して
またフォルトが好きという気持ちを
改めて確認できて笑顔になる。

反対にフォルトはまた困った顔になった。

「…ルア、そんなかわいい事言うの反則。
こんな道端じゃ抱けないだろ」

「抱っ…ぐっ げほっ げほっ」

フォルトのセリフに思わず噎せてしまった。

「ルア、大丈夫!?」

「げほっ…ん、大丈夫…」

背中を擦ってもらい何とか落ち着く。

「そうだ!露天でステキなお守りの
ペンダントがあってお揃いで買ったんだよ!」

もう一つ持っていた紙袋から
白い石のついたペンダントを二つ取り出す。

「白翡翠の石で悪い事から守って
くれたり幸運を運んでくれるんだって!
フォルトにいっぱい幸せが訪れますように!」

革紐の長い方をフォルトの首に
かけてあげ自分も首にかける。

「へへっ、お揃い♪」

お揃いが嬉しくて満足気な顔のルシアリア。

「ありがとう。大切にする」

フォルトもまさかのプレゼントが
嬉しくて石を握り締めしばらく喜びに浸った。


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