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お人好しは何かと巻き込まれる

第4章 ヤキモチ

ルシアリアの手を取ろうとした若い冒険者の
首筋には大きくてよく研ぎ澄まされた剣の刃が
添えられていた。

「俺の女に触れるな」

そう言って剣を構えていたのはもちろん
フォルトだ。

まさかこんな宴の中、刃を向けられるなんて
思ってもなく直ぐ様、後退り青ざめる。

「なっなっ、なんだよ!まだ何もして
ねぇだろ!」

「ちょっと待て!そいつ最短でS級に
駆け上ったやつじゃないか!?」

「なんでそんな奴がこんなところで…」

フォルトに反論しようとしたが、
フォルトの一睨みで情けなく怖気づいて
黙り込む。

その姿を一瞥してルシアリアの手を掴んで
フォルトは自分の為の宴も放置して
その場を後にした。


「恐っ!あいつルアの事になると
本当、見境ないんだから」

ナーナは二人が去った方を見ながら
我関せずという感じで食事を再開した。

そしてその場に残された村の人達が
冒険者達を宥めてあげていた。

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