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お人好しは何かと巻き込まれる

第6章 ヴァンパイアの気まぐれ

「ここまで私の足を煩わせた事の
代償に今日すぐに連れて行こうと
思ったのですが気が変わりました」

その言葉に、明日まで待って一時
引いてくれるのかと思ったが
次の言葉に冷水を浴びされた気分になる。

「その娘さんは止めて、あなたにします」

「……は?」

言っている意味が飲み込めないうちに
ヴァンパイアがルシアリアの目の前に来る。

目の前に来たのが一瞬でルシアリアは動けない。

「あなたの方が美味しそうだ」

ニヤッと笑いルシアリアの首の後ろを突き
気絶させて軽々と肩に担ぎ誰も抵抗
する間もなく教会から消えてしまった。



ルシアリアが気付いた時には知らない
場所にいた。

どこかの古い屋敷の一室のようで
高級感のあるテーブルセットに
クローゼット、大きなベッドなどが目に入る。

「…ここは」

しかし動こうとしても体を自由に動かせない。

自分の手を見ると、この部屋に似つかない
大きな十字架の彫刻物に両手を広げて
縛り付けられていた。

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