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お人好しは何かと巻き込まれる

第6章 ヴァンパイアの気まぐれ

突然、現れたヴァンパイアが恐ろしく
誰も動けない。

「いけませんよ~。取引に応じなければ
あの町の人々を襲ってしまいますよ?

それをあなた一人で我慢してあげようと
私の気遣いを無下にしたら良くないのでは?

こんな小さな村に助けを求めて端たない。
さぁ諦めて私の元に来るのです」

冷たい笑顔が更に深みを増して
ライラに近づく。

ライラは怖くてカタカタと震え出す。

そんなライラの前にルシアリアが
庇い出た。

「引き渡しは明日ですよね?
お引取り願います!」

両手を広げてライラの前に立ち塞がった。

フォルトが受けていた依頼はきっとこれで
ライラがこの村に逃げて来たので
すれ違いになったんだろうと思い当たった。

それならこの娘を守る事はフォルトの
手伝いになるだろうと自分を奮い立たせる。

「これはまた、強気なお嬢さんで。
…おや?……そうですね」

ヴァンパイアはルシアリアを見て
ふと止まったかと思うとまた笑顔を浮かべる。

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