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お人好しは何かと巻き込まれる

第6章 ヴァンパイアの気まぐれ

「あなたがあの時庇ってくれてなかったら
きっと私もっとつらい目にあってた。
本当にありがとう!」

目に涙をいっぱいに溜めて心からの
感謝の言葉を伝える。

「うん!みんな無事で良かった!」

お互いの無事を確認し抱きしめ合う。

「挨拶は終わったか?帰るぞ」

頃合いを見計らいフォルトはルシアリアを
ライラから引き剥がし、また抱え上げる。

「ちょっ、フォルト!みんなの前だよ!
降ろしてよ。恥ずかしいよ!」

「無理。充分待った。今度こそ帰ろう」

ジタバタするルシアリアを物ともせず
誰にも有無を言わせない雰囲気を醸し出し
出口に向かう。

「もー!じゃあね!ライラさん!
元気でね~!」

「ありがとう!ルシアリアさん!
この御恩、忘れないから!ありがとう!」

最後の言葉を聞き終わる頃には教会の扉が
閉じていった。





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