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お人好しは何かと巻き込まれる

第9章 一回って?

ニコニコと笑って食事を進められ
話し出す暇も与えられず

人狼族のいいところも語りつつ
リヒターは自分でも食べながら
ルシアリアの口に次々と
詰め込んでいった。

それを我関せずというように
レクトは静かに食べていた。

結局話し出せないままお腹いっぱいになり
やっと話を切り出そうと立ち上がると
リヒターとレクトも立ち上がった。

「兄貴、あんまり人間に懐くなよ」

捨て台詞を吐きレクトは部屋から出ていった。

そちらを見ることもせずリヒターは
ルシアリアを片方の腕で軽々と抱き上げた。

「腹もいっぱいになったし、今度は
身体の相性確認だな!」

訳の分からない話だったが認める
わけにはいかない。

「いやいやいや!何言ってるんですか!」

「身体の相性は大事だろうが!」

「大事だとしても私とあなたがする
必要はないんじゃ…」

「そう照れるなって!」

必死にリヒターを止めようとするが
全て通じず連行される。


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