はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第7章 『静と言う名の女とオムライス』
だけど…あの日を境にして、静のご褒美は
僕が学校で何かを頑張って褒められた時には
何時もの様に、お父さんには内緒よ?と言って。
秘密のご褒美を…くれるから、ありがたい事に
僕は…かなり…学校での成績は優秀だった。
それから、3年の月日が経過して…、
僕が…中学2年生になる頃…になっても。
気の多い親父にしては珍しく、
静との関係は相変わらず続いて居て。
まぁ他にも女の陰はチラチラとはしていたし。
静が夜に仕事に行ってる時に、家に
毎回違う女を連れて込んでたりもしては居たけど。
それでも静は、うちの家に居たんだ。
静は28歳になっていて、ある辺りから
親父は…別の若い女が出来たみたいで。
その女のアパートで半同棲してるらしく、
家に…は、あんまり…寄り付かなくなって居た。
だけど…これも…、後から思えば…
そうなる様に…親父が仕向けたんだろうなって。
まぁその時は、親父が新しい女が出来たら
家に寄り付かなくなるのは、
お袋がうちに居た時からそうだったし。
僕も静もそれに疑問を感じる事は無かった。