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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第7章 『静と言う名の女とオムライス』

『あの無節操な親父が、真奈美ちゃんを
食って無かったのは評価するけど…ね?
まぁ、息子の僕が言うのもあれだけど…。
あの…親父様は…探偵…しながら、
裏で別れさせ屋…紛いの事も
…自分の竿でしてたし。
心筋梗塞で急死してなくても、その内
恨み買う様な商売してたんだから、
どっかの誰かに胸でも腹でも刺されて
死んでたかも…知れないけどさ。
まぁ、あの糞な親父様が…汚れ仕事も
請け負ってた…恩恵は…
子供の僕が受けさせて貰ってるけどさ』

「だからっ…、仁さんには…
真奈美を養う義務があるんですからね?」

『まぁ、その約束と言うか、契約はさ。
…真奈美ちゃんが20になるまででしょ?
あの糞な親父様に、食われてたら
今頃真奈美ちゃん…タコ部屋泡姫かもよ?
真奈美ちゃんみたいなさ…、
非嫡出子の子はね。
だから…驚いてるんだって、僕も。
あの…ろくでなしみたいな奴にも
人の心があったんだな…って』

「真奈美は…仁さんのお父さんに
救われた…人間の一人ですよ?
仁さんが…仁さんのお父さんを、
悪く言うのは…良い気分がしません…ッ」


『まぁ、親父が死んで2年経つけど。
親父の隠し子が…出て来ないのは、
驚いてるんだけどね?
あの親父もあんなのだったけど、
結婚した相手は、お袋だけだったし…。
浮気ばっかりしてたけど…、それでも
親父にとってもお袋にとっても…
お袋も…再婚してないみたいだし…
純粋ではないにしろ、
愛情…みたいなのは…あったのかなって』

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